一般的に道具と言葉って関係ないと感じる人は多いと思います。

しかし、道具の使用が言語と関係があるのではないかと考えている研究者たちが存在します。

その研究者の中には、約200万年前に存在したホモエレクトスというホモ属の頭蓋骨をスキャンして仮想の脳を作ると現代人(ホモサピエンス)の脳の言語野が存在し、その頃から言語を使っていたのではないかと考えているようです。

ホモエレクトスが存在していた場所からは、ハンドアックスという石斧が出土しており、その石斧を作るには最低、6工程が必要なのだそうです。

つまり、石斧を作るのには石を割ったり削ったり、磨くなどの手順が必要で、それを仲間に伝えるために言語を使用したのではないかと考えられていました。

さらに手順を間違えると石斧は作れませんし、その工程を試行錯誤するにしても頭の中で考えるために言語が必要だと思われます。

 最近の研究(以下:URL)でも道具を使う活動と言語の文法の使用時に大脳基底核では同じような神経活動を使っていることが報告されており、複雑な文法処理の必要な課題を行う際、課題前に道具を使用した活動を行うと成績が上がるという結果が出ていました。

研究:https://hal.science/hal-03426977

ことばが出ない、少ない子どもたちに対して発達を促す際、たくさん話しかける(言葉のシャワー)や発話を促すことに注意が向きがちですが、道具を使った活動を提供するのも1つだと思います。

例えば、おもちゃのネジとドライバーで組み立てる車のおもちゃで遊ぶとか、ままごと遊びでも野菜を切ってフライパンでお肉と炒めてお皿に盛るといった工程のある遊びもいいですね!