みなさん、これまで親や先生に「勉強しなさい」と言われた経験はありますか?
多くの人は、「勉強しなさい」とか「片づけなさい」と言った指示を受けたことがあると思います。
その様な時、「今からしようと思ってたのに!」、「わっかってるわ」と言った心の声が湧いてくる経験をしているでしょう。
この心の声が湧いてくる心理的現象を心理的リアクタンスと言います。
ここで心の声と表現したのは、「頭では分かっているけど気持ち的に無理!」などといったときに使う、気持ちの部分を表したかったからです。この部分を脳の機能で説明したいと思います。
脳は大きく3つの層から構成されており、それぞれの層での役割があります(図1参照)。先に挙げた例で「頭では分かっている」の部分が緑で表した大脳皮質という所で、論理や思考をするところにあたります。
一方、「気持ち的に」と表現した心の声の部位が赤で示した辺縁系という所で感情が湧き起こる場所です。

この感情の場所は、人の行動に大きく関係しています。少し難しい話になりますが、図1の緑の部位の深部に大脳基底核という行動を開始する部位、いわゆるやる気スイッチがあります。 辺縁系はこの場所と密接な関係があります。
つまりは、指示や命令をされるとネガティブな感情が起こり、やる気スイッチが入りにくことが考えられます(実際に心理的リアクタンスを脳科学で解明はされていませんが、いくつかの関係した脳の部位の報告はあります)。
なので、何かをして欲しいときには、「〜は、いつから始めるの?」とか「ゲーム先にする?それとも宿題する?」などの選択肢を提供して自分で決める様にするのが良いと思います。
もちろん、この方法で全てがうまくいことはないですが長期的に子どもの成長を考えるなら、指示や命令で反発心を起こすことよりは、おすすめの関わり方です。
先にも提案した、自分で決める問いかけは自分で決める能力を高めることになります。自分で決定する力がつくと結果、諦めない気持ちを育てることに繋がっていきます。
次回は、自分で決めることの重要性に関してお話します。